Ambassadeur ULTRA MAGⅡ
アンバサダーウルトラマグⅡ。釣具オークションで購入。
各部点検異常なし。状態良さそうです。
フットナンバーは「830100」、1983年のモデルのようです。
このリールで個人的にすごく気になったのが「フローティングレベルワインド」という機構です。クラッチとレベルワインダーが連動していて、クラッチを切るとレベルワインダーがフリーになるというものです。


(左画像)通常時
(右画像)クラッチを切った状態。ラインガイドが自由に動くようになります。


下からのアングルで
(左画像)通常時
(右画像)クラッチを切った状態
クラッチを切るとレベルワインドチューブが前方に回転します。


上からのアングルで
(左画像)通常時
(右画像)クラッチを切った状態
レベルワインドチューブと一緒にラインガイドのガイド?(部品名がわかりません)が前方に倒れます。ラインガイドのガイド?にある切り欠き部がラインガイドの位置に来ることでラインガイドとの縁が切れます。
分解

バラしていきます。
金色のフレームが眩しい!!





カッコいいー!
しかし、なかなか複雑です。
後から配置の確認をする為にも色々な角度から写真を撮っています。
このままではラチェットにウォームシャフトギアが引っかかってメインギアシャフトが抜けませんので、マグネットブレーキユニット側からバラしていきます。

一度ギアボックス側のカバーを取り付けて、マグネットブレーキユニットを取り外します。


スプールを外して、スプールシャフトを抜きました。

ウォームシャフトの端のEリングを取り外します。

メインギアシャフトだけ取り外しました。クラッチを切った時にレベルワインドチューブが前方に倒れる仕組みを確認します。


クラッチを切った時にプッシュロッドがウォームギア端に付いているカムを押すことによって、レベルワインドチューブが前方に倒れる仕組みです。

レベルワインダーを取り外しました。


ここでも配置確認の為の写真を撮っておきます。


(左画像)アンチリバースドックはこの向き。
(右画像)ドラグ部分解しました。

このメインギアに付いているバネとその上のプレートに空いている穴でドラグ音を出しています。「カリカリカリカリ・・・」という優しい音です♪


(左画像)バネ多めです。
(右画像)Eリング多めです。



ラインガイドのシャフトです。ここは圧入しているんでしょうか。バラさない方が良さそうです。
ここは掃除だけとします。

レベルワインダーをバラしました。

ほぼ分解できました。
これから各部品の点検と洗浄をやっていきます。
部品洗浄・点検

マグネットブレーキユニットは一応バラしてみましたが汚れ等ありませんでした。
ここはバラす必要は無さそうです。


(左画像)マグネットブレーキダイヤルのクリック音の音出しピンの様なものです。
(右画像)この金色のプレートを取り外せば整備はできそうです。今回はやりません。


スプール分解しました。
ベアリングがコロッと丸い形をしています。
ベアリング点検、状態は良好です。

各部品、点検・洗浄完了です。
かなりいい状態かと思います。

ドラグ部の一番上のプレートです。
ドラグワッシャーに当たる部分がメッキが剥離しているような感じ?になっています。
あと気になるとすればマグネットブレーキユニット側のカバーが樹脂製の為、少し白っぽく変色していることくらいです。


ギア部です。いい状態かと思います。
組み立て、完成
それでは組み立てていきます。


(左画像)パーツを仮置きして、摺動するところを確認します。
(右画像)各パーツとフレーム摺動部にグリスを塗って組み立てます。

メインギア・ドラグ部を組み立てました。


レベルワインダーを組み込むところですが、フローティングレベルワインドの機構が絡んでくるのでちょっと難しいですね。

ここまで来ればあとは簡単!




完成です!
かなりいいんではないでしょうか♪
巻き心地・クラッチの操作感・ドラグの効き・スプール回転等、整備前よりかなり良くなっています。
マグネットブレーキユニット側のカバーが白っぽく変色していましたが、シリコンコーティングをしたところなかなか綺麗になりました。
フローティングレベルワインドは面白い機構ですが、あまり丈夫な構造とは言えませんので実用上はどうなんでしょうか。少し使ってみないと分かりませんが、海ではあまり使いたくないリールですね。(なるべく綺麗に使いたいのと、大物が掛かったらフローティングレベルワインドが故障しそうで不安な為です)
現在のリールには無い機構で進化の過程を感じさせてくれます。
本当にカッコいいリールでした。
ありがとうULTRA MAGⅡ!