スピニングリール

MITCHELL 308 ②

佐倉リール

ミッチェル308(プラナマティック機構なし)です。
最終モデルかと思われます。
フットには「MITCHELL TAIWAN」とあります。

TBオークションで購入。
「中古B+」(回転性能や機能の動作に問題は無いが、塗装を超えて素材の地に達する傷が多少あるもの。)の物です。
・・・が、しかし!コレは機能的に問題のある物でした。

症状は、
リーリングすると「カタカタカタ・・・」という音がする。
ベールを起こしてハンドルを回してもベールが返らない、その上「カッカッカッカッカ・・・」という音が出る。
というものです。

タックルベリーさんの商品状態のランク付けは結構信用していたんですが・・・まぁ、たまには間違いもあります。

リーリングすると「カタカタカタ・・・」という音がする症状の原因はここでした。
トリップレバーという部品が変形しており、ベールアームにしっかり当たっていません。

その為ローター内側にトリップレバーが出た状態になってしまい、ハウジング(ボディー)に当たって「カタカタカタ・・・」という音がでていました。

正常なものはこういう状態です。
(整備済みの同じモデルのリールの写真です)

トリップレバーを整形しました。

リーリング時の「カタカタカタ・・・」という音は出なくなりましたが、起こしたベールは相変わらず返りませんし、「カッカッカッカ・・・」という音が出ます。

ベールが返らない原因はこちらでした。
トリップレバーの位置(高さ)がハウジング(ボディー)のでっぱりの位置に合っていません。ハウジング側をよく見ると上っ面を擦っているような跡があります。

ローター内側の爪部、整形。
左画像、整形前。
右画像、整形後。

分かりにくいですが、
左画像、整形前。
右画像、整形後。
これで正常に動作するようになりました。

写真は洗浄後ですが、なかなかの汚れ具合でした。
カチカチになったグリスがゴッテリこびりついていました。

ギア、悪くない状態かと思います。

ドラグ部のバネにサビが出ています。
その他、異常なし。

プラナマティック機構が付いていないモデルで、構造はかなりシンプルです!

完成!
ですが、リーリングしているとだんだんギア感が強くなってきます。

原因は多分このアンチリバースドックだと思われます。
クラッチレバーを何度かON・OFF操作すると、写真のようにアンチリバースドックが浮き上がってきます。
リーリング時にこのような状態になってドライブギアをピニオンギアに押し付ける形になっているものと思われます。

ギア感が出てきてからハンドルを外側に引っ張ると、ギア感は弱く、リーリングも軽くなります。
これは、ハンドルを外側に引っ張ると、ハンドルがねじ込まれているドライブギアがアンチリバースドックを押さえつける形になり、ピニオンギアとのギアの噛み合いにも余裕ができる為かと思います。

まぁ、ギア感は強くなりますが、問題なく使用できるレベルです。変にイジると逆に調子悪くなりそうなので、コレはこのままにしておきます。

何はともあれ、これで本当の「B+」になりました。
みなさんも中古品購入時はご注意下さい。
なるべく実際に触って購入するのがいいと思います。

このリールは佐倉リールRakuma店に出品予定です。

ABOUT ME
佐倉リール
佐倉リール
こんにちは。佐倉リールです。趣味でリールの分解・整備をしています。 本職は船乗り(機関士)です。船の整備もリールの整備も「確実に・丁寧に」を心掛けています。 現在は主に中古リールを購入し分解・整備を楽しんでいます。本ブログは、ご自身でリールメンテナンスをされる方に参考にしてもらえる様な内容にしていきたいと思っています。 パソコンに不慣れの為、リールの整備以上にこのブログ作成に手こずっております。
記事URLをコピーしました