92 Bantam Scorpion Metanium XT
92 バンタム スコーピオン メタニウムXT
通称「赤メタ」です。

メルカリで購入。
ハンドルを回した時にシュルシュル音あり。
スプールの回転時シュルシュル音あり。
ドラグをいっぱい緩めてもスカスカにはならない、結構効いている。
リールフット上下に汚れ多くあり。
状態は悪くありません。









分解
それではバラしていきます。

ブレーキカラーが一個無くなっています。


スプールを抜いた時に手応えがあったので、メカニカルブレーキのツマミを取り外して確認してみたところ、クリップバネが入っていました。スプール抜き差し時の質感はいいです。
回転性能的には無い方が良さそうですね。
(左写真)スプールが入っている状態
(右写真)スプールを少し抜いた状態

ハンドルのリテーナーを外したところです。
リテーナーの裏に金属の爪があり、その爪がハンドルにあけられた穴の奥のギザギザに当たってスタードラグの操作音を出す構造です。面白いですね。

こうなりました。


外側からビスが見えない構造になっています。
左写真の2本と右写真の1本のネジを緩めてギアボックスの蓋を外します。

ギアボックス側蓋を外しました。





色々な角度から写真を撮っておきます。


(左写真)ピンセットの先のC型止め輪を取り外して、
(右写真)パームサイドのカバーを取り外します。


(左写真)ピニオンギアを取り外して、
(右写真)メインギアを取り外しました。


(左写真)メインギア軸の取り付けネジを緩めて、
(右写真)メインギア軸を取り外します。


(左写真)2本の固定ビスを外して、クラッチカム押さえ板を取り外します。
(右写真)バネが効いていますのでクラッチカムは指で押さえておきます。


クラッチカムをゆっくり持ち上げて、取り外します。



左写真のEリングを取り外して、クラッチレバーを取り外します。


(左写真)写真中央のネジ、クロスギアの抜け止めを外します。
(右写真)Eリングを外して、レベルワインダー・クロスギアを取り外します。


(左写真)こうなりました。
(右写真)現在この状態です。


(左写真)パームサイドのカバーをバラしていきます。
(右写真)こうなりました。


(左写真)Eリングを外して、メインギア軸下部をバラします。
(右写真)こうなりました。


(左写真)おー!ベアリングが入っていますね。
(右写真)バラしました。


(左写真)スプールのベアリングを取り外します。
(右写真)リムーバーネジ部に注油。大事です。


取り外しました。
部品洗浄・点検
部品の洗浄と点検をしていきます。


クロスギアに傷があります。
耐水ペーパーで慣らしておこうと思います。
(細目番手の耐水ペーパーが手元に無い為、耐水ペーパー購入後整備し追記します。現在乗船中(本職船乗り)の為入手に少し時間がかかります)


ブレーキカラーが当たるところ、薄いサビが出ています。


綿棒にピカールを付けてサラッと磨いただけでこうなりました。
その後、洗剤でよく水洗いしています。


汚れていたリールフットの上下、綺麗になりました。

このベアリングだけ音が出ています。
手元に在庫が無いので、購入後、取り換えます。
とりあえずはオイルアップのみです。



その他、異常ありません。
各部点検、部品洗浄完了です。
フレームとギアボックス側のカバーは金属製で頑丈な作りです。
スプールを入れる時の「カチッ」という感じやスタードラグの操作音を出す機構、外側からビスが見えない作りなど、細かいところまで気が配られている事がわかります。流石当時のハイエンドですね。
組み立て、完成
組み立てていきます。


(左写真)メインギア軸下部のEリングが少し広がっていたので修正しました。
(右写真)Eリングの収まりがギチギチでしたので0.05mmのシムを一枚抜きました。



各部組み立てていきます。





ギアグリスを塗りました。

各部細かいところは組み終わりましたので、合体していきます。

このスプリングの位置はここが正解のようです。
整備前はこのスプリングがスタードラグの下に入っていました。
その為、ドラグを緩めてもこのスプリングの厚み分ドラグが効いてしまっていたようです。


見逃していました!レベルガイドのキャップが割れています。
代替品か、ヘッジホッグスタジオさんでジュラルミン製のモノがあったと思いますので検討します。






完成です。
ハンドルを回した時のシュルシュル音はスプールのベアリングからだろうと思います。ベアリング購入して取り換え予定です。
緩めても効きっぱなしだったドラグは部品の組み間違いが原因でした。現在良好となっています。
リールフットの汚れは綺麗になりました。
レベルワインドのクロスギアに傷がありました。動作には影響無いようですが、後日整備予定です。整備終われば追記します。
レベルガイド部のキャップは代替品を取り付け予定です。こちらも取り換えたら追記します。
1992年という時代と、作り手の拘りが感じられる素晴らしいリールでした。
ありがとう!赤メタ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
以下、追記します。

スプールのベアリングを取り換えました。
スプール回転時のシュルシュル音は無くなりました。


レベルワインダーのクロスギアにあった傷です。
耐水ペーパーが届きましたので補修していきます。
耐水ペーパーですが近頃は10000番なんていう細かいモノがあるんですね。
今回は2000番、5000番、10000番を使用しました。


少し慣らす程度に・・・とやってみましたが、金属の地が結構出てます。
これが不具合に繋がらなければいいのですが。
継続監視箇所となります。