20TORIUM 2000PG
釣具オークションサイトで購入。
「未使用に近い」というモノです。
この大きさの両軸リールを触ったことが無いので勉強を兼ねての購入です。
外観はほぼ新品です。
が、ハンドルを回しただけではクラッチが戻りません。オートリターン機構が付いていないのかと思い調べてみたところ、「クラッチオートリターン機構搭載」と記載があります。
その他、不具合はありません。
それではバラしていきます。
まずはハンドル側から。
(右画像)スタードラグに音出しピンが入っています。
ギアボックス側4本のビスを緩めてカバーを取り外します。
(予習の為に見たオシアジガーの動画では、オシアジガーの場合この時点でギアボックス一式取り外せて、スプールにアクセスできるようです。)
メカニカルブレーキ部のベアリングも取り外しました。
カバーを開けた状態でクラッチオートリターンのテストをしましたが異常なし。正常に作動します。??。とりあえずはこのままで作業を進めます。
(左画像)ドライブギア、ドラグワッシャーを取り外しました。
(右画像)ピニオンギア、クラッチレバー板等、取り外しました。
(左画像)本体固定板という部品を取り外して、
(右画像)やっとスプールが取り外せます。
手持ちのスプールベアリングリムーバーはこの大きさのリールには対応していませんでした。サイズの大きな市販品も無いみたいです。少し調べてみたところ通常サイズの市販品を改造して対応している方がいましたので、今回はそれでやってみます。
早速Amazonで注文しました。試作品を作って試してみます。
とりあえず今の所スプール分解は右の画像の状態までとなります。
今回スプールの整備はここまでです。
後日ベアリングリムーバー製作して、ベアリング取り外しグリス充填します。
ドライブギア軸を取り外しました。
ここはベアリングではなくブッシュです。
こちらグリスたっぷりで組み上げます。
今回はパーツ一つ一つが大きいので、一気にバラすとトレイに収まらないので、パーツ毎に分解・整備・組み上げ、としていきます。
クリックボタン、ストッパーレバー等取り外しました。
(左画像)スプールベアリング以外の二つのベアリングにグリス充填しました。
(このリールはボールベアリング数3つです)
(右画像)グリスたっぷり目で組み上げます。
(左画像)クラッチレバー部品をバラしました。
(右画像)こちらもグリスたっぷり目で組み上げ。
こちらも組み上げていきます。
(グリスは強めにと思い、クラッチレバー板等の摺動部にSR-G(SWスピニング向けギアグリス)を使用してみました。クラッチ操作感悪ければやり直します。)
ドラググリスを間違えました。
DG-1(SWスピニング向けドラググリス)を塗ってしまいました。
予定しているスプールベアリング取り換え時にACE-0で塗り直します。
(使用箇所別のグリスの違いがイマイチわかりません。今の所シマノの「使用箇所別推奨グリス早見表」の通りにやっています。勉強が必要ですね。)
ギアグリスもたっぷり目です。
各パーツを合体させていきます。
ここでやっとクラッチのオートリターンが作動しなかった原因がわかりました。
ギアボックスのカバーを取り付けるとクラッチオートリターンが効かなくなります。
(左画像)カバーを取り付けた時の様にクラッチヨークバネを押さえつけた状態では、クラッチレバー板先端についているツメがビスの所で引っ掛かってしまいます。
(右画像)ヨークバネを押さえ付けなければ正常に動作します。
ビスの頭がほんの少し本体固定板より出ているようで、そこに引っ掛かってしまっている様です。
ビスを取り外し耐水ペーパーで軽く磨いただけで正常に動作するようになりました。
ハンドルノブを忘れていました。
汚れ等無く綺麗な状態。こちらもグリスたっぷりで組み上げます。
完成です。
「未使用に近い」というモノで汚れ等無く、バラして組み上げだけのつもりでいましたが、不具合発見→修理までできたので、結果いい整備となりました。
初期不良だったんでしょうか。前のオーナーさんもこのクラッチオートリターンが効かないことが原因で手放してしまったのかも知れません。
スプールベアリングはリムーバーを後日製作して、再度整備します。
整備完了後、本記事に追記します。
今回も勉強になりました。
私こういうリールは使用したことがありません。休暇中(職業船乗りで一回の休暇は約1ヶ月間です)はカヤックで釣りをしますが、あまり深いところには行きませんし、使用ジグも100gくらいまでです。また6キロを超える魚は釣り上げたことがありません。今回の整備はイメージだけでやりましたが実際どの程度の負荷がかかるのか、どのような使い方になるのか知りません。近いうちにこのリールに合う釣りも経験して整備に役立てたいと思います。
そんな釣行も楽しみですし、今回スプールベアリングリムーバーを製作しなければならなくなりましたがそれもまた楽しみです。いいものを作りたいと思います。
あとグリス・オイルについては勉強することにします。
課題が多く見つかったリール整備となりました。
ありがとう!トリウム!
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スプールベアリングリムーバー試作の件、追記します。
スプールベアリングリムーバー試作品完成しました。
試作品といっても市販品のモノのスプールシャフトが入る穴を大きくしただけです。
結果「ギリギリ使用可」というところでした。
十字レンチのハンドルバーの位置がスプールサイズギリギリです。
これ以上大きいスプールには使用できません。
スプールクラッチピン(スプールシャフトピン)の外径とリムーバー側のピン逃し穴が丁度同じくらいの大きさで少しの余裕もありません。この穴は少し大きくしようと思います。
あとはピンが太いのでこの十字レンチではパワーが足りません。本当にギリギリ使えるという感じです。安心感がありません。
次の試作品ではこの辺を改善していこうと思います。
何はともあれ、スプールベアリングにグリス充填できました。
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最終チェックしている時にふと気になったのが、クラッチオートリターン時のハンドル位置です。通常左画像の様にハンドルが上の位置でクラッチが戻ります。好みの問題かと思いますが私の場合は右画像の様に下側手前がいいのでこの位置に調整しました。
ちょっとしたキャスティングをしたい時にもこちらの方が扱いやすいかと思います。