Mitchell 810

佐倉リール

ミッチェル810です。
1975〜1983年に59,229台製造された、というなかなか希少なリールだそうです。
ギア比は6:1。当時のスーパーハイスピードモデルです。

TBオークションで購入。
巻きは重たい状態です。
ドラグがゴリゴリゴリというイヤな感じです。ドラグ音も鳴りません。
その他異常は見られません。
外観は非常に綺麗です。何とかいい状態にしたいと思います!



フットには何の表示も無いと思いきや・・・

G060603?でしょうか。あります。



分解

スプールの分解

えーー!!ワッシャーやバネの組み方が全然違う!
ドラグワッシャーなんかシャフトにハマってないし!
なぜ?!
コレじゃぁゴリゴリ変な感じもするわ・・・。
ですが、パーツ一つ一つはいい状態です。
ドラグワッシャーはおかしな所に収まっていた為湾曲していますが使用には問題なさそうです。



コレが正しい組み順かと思います。



ドラグの音出しバネも左画像の状態でした。バネが変形していて外れやすくなっていました。
正しい組み付けは右画像です。



本体部分解

カバー、オープンです。
んーー・・・グリスはゴッテリ。
グリスを適量にするだけでも巻きは軽くなりそうです。


カバー側にギアを取り付けた状態にしておきます。
この状態の方が部品の取り付け位置が分かりやすいと思います。



ゴッテリのグリスはいい状態です。
これはいい仕事してくれていたはず!



ギアが・・・凄い・・・




ギアを取り外した所です。


その他ストッパー、カム、バネなど小さな部品を取り外しました。



こちら側をバラしていきます。



このEリングを取り外した所、この黒いオシレートプレート(オシレーションスライダー?部品名がわかりませんでした。)が軽く動く様になりました。
このワッシャーを少し薄いものに取り替えたら良さそうです。(と、この時は思ったのですがオシレートプレートの動きが悪い原因は他にありました。)



面白いギアですね〜!このカエルの手の様なギアがオシレートプレートの上下の切り欠きにハマってオシレートさせる仕組みです。



オシレートプレート、メインシャフトを取り外します。



オシレートプレートのガイドプレートを取り外します。

ボディーもそうですが、中の部品も一つ一つがゴッツイ感じ、厚みがあります。耐久性はかなりありそうです。
先端がマグネットのドライバーにくっついてくる部品が多くあリます。鉄ですね。海での使用には注意が必要です。



ローター分解

ローターを分解しています。
これまたデカいバランスウェイトです。



現在こんな状態です。



ベールを取り外します。
ラインローラーは簡単な作りです。
メンテナンスが容易で、故障が少ない。こういうモノが私は好きです。


これで全バラとなりました。


部品洗浄・点検

部品洗浄・点検完了です。
異常あり!です。


ガイドプレートが曲がっています。
これが原因でオシレートプレートの動きが悪かったんですね。
しかしなんでこんなところが曲がったんでしょうか?


オシレートプレート側にも傷が付いていました。


整形しました。


テスト。
スルスル動くようになりました!


ギア、いい状態かと思います。


ドラグワッシャーは変形していますが、このまま使用します。


その他、異常なし。
サビ等無くいい状態です。

組み立て

ローター組み立て。


ストッパー、カム、バネ等取り付け。


ギア組み込み。


こちら側、ここまで組んでから、メインシャフトを挿入していきます。


メインシャフトとオシレートガイドプレートを取り付け。

?!ガイドプレートの下側の取り付けビスが途中で引っ掛かります。

ネジ山が潰れています。
取り外す時にも違和感ありましたが・・・。

潰れていないビスは引っかからずに入りますので、幸い雌ネジ側は無事な様です。



ひとまずビス一本外れた状態で組み立てました。
テスト、良好です。


近くのホームセンターで代用テスト品を購入してきました。
M3 旧JIS規格(ネジピッチ0.6mm)です。


ホームセンターにコレより短いものが無かったので・・・。
まぁこれでネジは(M3 旧JIS規格で)間違いないという事は確認できました。


ひとまず組み立て、テスト、良好です。
M3(旧JIS規格)の長さ4mm ステンレス製のビスをAmazonで購入しました。
到着したら付け替えます。


ビス到着。取り替えました。
元のビスが鉄製なので同じ鉄製の方が良かったかなー?
(ワッシャーは長さ5mmのビスに付いてきた鉄製を使用しています)


完成です。

整備前の巻きの重たさは、ゴッテリのグリスと部品の変形が原因だったようです。グリスを適量にしたことと変形部品の整形で巻きの重さの不具合は解消されました。
ドラグは組み立て不良でしたので、正しく組み直して良好となっています。
不調箇所は全ていい状態にできましたので、気持ちのいい整備となりました!
各部品の状態も良好ですので、まだまだ活躍してくれそうです。

今回も楽しい整備でした!
ありがとう!Mitchell810!またいっぱい魚釣ってね!


こちらのリールは佐倉リールRakuma店に出品予定です。
(まったく売れない佐倉リールRakuma店です(笑)購入した金額にRakumaの販売手数料を上乗せしてるからちょっと他より高いんですよねきっと)

ABOUT ME
佐倉リール
佐倉リール
こんにちは。佐倉リールです。趣味でリールの分解・整備をしています。 本職は船乗り(機関士)です。船の整備もリールの整備も「確実に・丁寧に」を心掛けています。 現在は主に中古リールを購入し分解・整備を楽しんでいます。本ブログは、ご自身でリールメンテナンスをされる方に参考にしてもらえる様な内容にしていきたいと思っています。 整備済みのリールを一部「佐倉リールRakuma店」にて出品しています。このリール達がまたフィールドで活躍してくれたら幸せです。 パソコンに不慣れの為、リールの整備以上にこのブログ作成に手こずっております。
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