19 Vanquish 4000MHG


佐倉リール3人目のお客様のリールです!
19ヴァンキッシュ4000MHG です。
海でのカヤックフィッシングで使用されているとのことで、今回は耐水性重視での整備をご依頼いただきました。
お客様にご相談のうえ、海水の影響を受けやすい箇所のベアリングには高耐食ベアリングを使用し、その他のベアリングにはグリスコーティングを施工、ということにさせていただきました。
ベアリング以外で海水の影響を受けやすい箇所には、スタジオオーシャンマークのカルコングリスを使用していきます。
外観点検では、
・ギアノイズあり(以前のオーバーホール時にギアの傷を確認済みとのこと)
・ベアリングノイズあり
・スプールエッジに傷あり
という状態です。


スプールエッジの傷です。
10000番の耐水ペーパーでラインに影響が出ない程度に軽くならしておきます。
最後にガラスコーティング予定です。
分解

バラしていきます。


ローター分解

ローラークラッチ、ピニオンギアなど取り外し。


ボディーの固定ボルトは一本だけ頭が+です。このボルトだけ反対側からねじ込まれています。
右画像のゴムパッキンは「フタフランジシール」です。画像分かりにくいですね(笑)まぁそれだけ見落とす可能性が高いということです。

ボディー内部部品取り外し。


ボディーフタは固定ボルトの位置がわかりやすいように置いておきます。
(パーツリストでは、固定ボルトの座金は右上の+ネジに使用するようです。
前回オーバーホール時に間違ったんでしょうか。)
ハンドルノブ取り外し。

分解完了です。
スプール、ハンドル、摺動子部の整備




スプールは先に整備しました。
異常なし。


ハンドルも先に整備しました。
固着防止のため、ネジ部にはグリスを塗布。


高耐食ベアリングにグリスシール。対海水仕様です。
0.1ミリ調整シム追加、ガタは無くなりました。
ハンドルシャフト(本体側にねじ込む方)はチタン製だそうですね!流石ヴァンキッシュ!


摺動子部も先に整備しました。
各部品点検

各部品洗浄・点検完了です。
⭕️の目印は交換予定のベアリングです。









ドライブギアの傷を確認しました。
ドライブギアとピニオンギアは交換となります。
ラインローラーに撥水グリスの汚れと、回転時の微かな異音があります。
ラインローラーはローターを組み立ててからもう一度確認します。
その他異常なし。
一旦組み立て。持ち帰り。


持ち帰りますので、一旦組み立てます。(現在乗船中(本職は船乗りです))


組み上げ完了。
ラインローラーテスト、異常なしと判断しました。
一旦持ち帰り、交換部品を受け取り後、仕上げていきます。
交換部品到着、組み立て

交換部品到着。

新品のドライブギアに何か凹みのようなものがあります。
このくらいは許容範囲なのか?ちょっと分かりません。
一旦組み上げて様子を見てみます。

高耐食ベアリングにグリスシールです。
(この機種ではフットがついている方が「フタ組」です。マグネシウム合金製だそうです。)

ピニオンギア取り換え。
ピニオンギア上部ベアリング取り換え(高耐食ベアリング)
高耐食ベアリング側面には2本線が入っているんですね。


ここに座金がありますので、ご注意ください。
(こちらのギア等が収まる側が「ボディ」です。Ci4+製だそうです。)


ラインローラーの特殊撥水グリス入れ換え。
ハウジングにも薄く塗布しておきます。


腐食しやすい摺動子アーム部に「CC000」をコーティングするように塗っています。
今回新替した「回転枠受ケカラー組」にもグリスシール。


塩が溜まりやすい「ボディガード」内全体と、固定ネジのタップに「CC000」を塗布しておきます。

一先ず組み上げ完了です。
ギアノイズは感じません…あのギアでいいのか?
Selffishに伺った時に、代表の鈴木さんに状態を確認していただきました。
「少し横方向にガタつきがある」とのことで、その場で調整座金をいただきました。
ドライブギアの傷(凹み)については、「新品では通常見られない状態」とのことでした!
返品して取り換えてもらうことにします。
また暫くドライブギアの到着を待ちます。
ギア到着、組み立て


ギア到着です。
傷等無いことを確認しました。


組み上げ、調整、ガラスコーティング…
と仕上げましたが、巻きにノイズがあります。
「ギアを交換すると馴染むまで違和感が出ることがある」と聞いていたので、このことか?と思いましたが…
Selffishで確認していただくと「それとは違う」とのこと😅


内部を確認すると、ギアに何かを噛み込んだような跡があります。
どこで失敗したのか…🤔
再度ギアを取り寄せて交換します。
最後の組み立て→完成

ドライブギア、ピニオンギア到着です!
異物が残らないよう再度部品洗浄して組み立てていきます。
調整座金での調整は慎重に行いました。
0.05㎜→0.1㎜→0.15㎜→0.13㎜ときて、最終的に0.15㎜としました。



やっと完成です。
ギアを3回交換となった大変な整備でしたが、最終的にはいい状態にできたかと思います!
何度もやり直しとなり、その度にお待たせしてしまいましたが、最後までご理解いただいたお客様には本当に感謝です🙇
いやー本当に勉強になった一台です!
今回の経験を、次回からの整備(特にギア交換整備)に活かしていきたいと思います!
この度はご依頼いただき、誠にありがとうございまいた!
良い魚が釣れますように🎣
参考記事
⬇️こちらは16モデル2500HGSの記事です。
よろしければどうぞ!






